私は、幼少時から物をねだっても買い与えられなかったり、望みを叶えられなかったので、あきらめる癖が付いてる。
欲しいものを我慢して成長した。
希望を口にしないで大きくなった。
決して願望が無い訳じゃない。
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見た目にインパクトがあった丹羽。 おかずクラブのゆいPみたいな体型だった。肌がやや浅黒く、目鼻のパーツが大きい。まるでタヒチやトンガ王国といった南太平洋の島々にいる年配女性の様だ。
これまでの友達とは違うタイプ。
話し方が普段はゆっくりで、どっしり構えた大人に感じる。
正直どう接していいか掴めず淡々と節度を持って関わっていた。
だが井上は、そんな丹羽におねだり攻撃を仕掛ける。
なぜあんなにすぐねだる事ができるのか不思議だった。
遊びに「連れてって、連れてって。」
車に「乗せて乗せて。」
甘えるのに慣れてる女の子だ。
自分を甘えさせてくれる相手をすぐ見分ける。
嗅覚というやつだろうか…。
物怖じせず気軽にねだる井上に、私は内心驚いた。
私は、幼少時から物をねだっても買い与えられなかったり、望みを叶えられなかったので、あきらめる癖が付いてる。
欲しいものを我慢して成長した。
希望を口にしないで大きくなった。
決して願望が無い訳じゃない。
いつもおねだりして願いを聞いてもらえた女の子との落差。
平均的な身長で体型は華奢な井上。
丸顔で愛想が良かった。年齢より幼く見えた。
それで周囲の人から「理恵ちゃん。」「リエコ、リエコ。」なんて呼ばれて親しまれていた。
こういう女の子は得だ。
私は自分からは言い出せない。
言い出さないが、井上のおねだりに便乗する形でレジャーに加わってた。
丹羽の兄の運転でスキーにも行ったし、弟と一緒だった事もある。
丹羽の運転で、ドライブにも出かけた。
井上がねだって丹羽の兄弟や車が駆り出される。
そんな3人の間柄だった。
おねだり攻撃する井上と、それを聞く丹羽。
ただ付いて行くだけの私…。
私にスキーの趣味は無い。
アウトドアレジャーなどとは無縁だった。
強い憧れはあったが、別世界のものだという感覚だった。
(高校の修学旅行は長野でスキーだった。その時は気持ちいいほど滑ったので楽しさは分かっている。)
友達にもそういう趣味の子はいなかった。
だからどこか不器用でしっくりこない。
スキーの用具も装備も何ひとつ持っていないし、傾斜のキツい山では恐怖を感じた。
慣れていないと楽しめない。
二人ともこれまで周囲にいないタイプの友達だった。
そして仲良くやって行きたいと言う気持ちが強く働いた。
なので無理しても合わせて行こうとした。
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2023年02月12日
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